4ジマ
大杉漣さんの佇まいがすきだ。
強面の役を演じている漣さんが特に好きだった。
瞬発力のある凄味の中に、悲哀とでもいうのか
一種の滑稽さが常に其処に在り、
その複雑な人間描写にひかれてしまう。
下積時に沈黙劇に打ち込んでいたと知り、
しじまリストとしては、益々高まった。
好きな映画に必ず挙げるソナチネがデビュー作だと
いう事もあとから知り感慨深く思えた。
そして最後に演じたのが「教誨師」とは
意表を突かれたが、ポスターに佇む教誨師は
大杉漣さん意外の何者でもなく
言われてみれば、ヤクザ役なんかより
よっぽど漣さんぽく思える。
静かな環境音だけがある中でエンドロールが
粛々とスクリーンを上がっていくのを見ていて
ただただ呆然として席を立つのも躊躇われた。